持続可能な社会の実現への貢献の考え方
持続可能な生産・消費に向けた商品供給事業を進めます

地球規模で直面している経済・社会・環境のさまざまな課題に対処するために、2015年国連で「誰一人取り残さない」を理念とする2030年までの行動計画「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable DevelopmentGoals)」が採択されました。生協は環境・社会に配慮した事業を進め、持続可能な開発目標(SDGs)の実現への貢献を目指します。商品利用を通じた持続可能な社会の実現への貢献(倫理的〔エシカル〕消費)を広げます。

I.商品利用を通じて、持続可能な農業・畜産業・水産業・林業を支援します

1.環境負荷の軽減に配慮した農業生産の支援

  1. 植物は土の中にある栄養と光合成で育ち、動物はその植物を食べ、微生物が動物の排泄物を分解して、植物にとっての栄養源になります。農業のこうした自然循環機能を生かし、堆肥(有機質肥料)による土づくりや、化学合成肥料・化学合成農薬の使用抑制などによる環境負荷の軽減に配慮した農業生産を支援します。
  2. グリーン・プログラムのマーク有機農産物、特別栽培農産物*を「グリーン・プログラム」商品として表示を行い利用を広げます。(有機農産物への転換期中のものも含む)

    *有機農産物:堆肥による土づくりを行い、化学合成農薬・化学合成肥料を使わずに生産された農産物。

    *特別栽培農産物:化学合成農薬および化学合成肥料の窒素成分を慣行レベルの5割以上削減して生産した農産物。

  3. グリーン・プログラムのマーク有機JASの認証を受けた農産物、畜産物、加工食品を「オーガニック」商品として表示を行い利用を広げます。
  4. 農畜産物の生産において、食品安全、環境保全、労働安全等を確保するための適正農業規範(GAP)の取り組みを支援します。
  5. グリーン・プログラムのマーク農園の環境、野生生物、生産者とその家族に利益をもたらす方法で栽培されたことを示すレインフォレスト・アライアンス(RainforestAlliance)認証の商品の開発と取り扱いを進めます。

2.食料自給力向上への貢献・地産地消の推進

  1. 食料自給力の向上に向けて国内農畜水産物の取り扱いを広げます。
  2. 輸送にかかるエネルギーが少なく、地域の農畜水産業を応援する地産地消に取り組みます。地域の生産者と食品加工業者をつなぐ商品開発、6次産業化の取り組みを広げ、地域経済に貢献します。
  3. 国産の米の消費を広げ、日本の水田の維持に貢献します。
  • 炊いたご飯や米粉を使用した商品の開発・品ぞろえを進めます。
  • 登録いただいた米を定期的にお届けする「登録米」の利用を広げます。
  • 飼料用として生産した米を給餌した畜産物(卵・牛乳を含む)の利用を広げます。
  1. 産地の風水害や冷害、干害、地震などによる被災に際しては、被災産地の状況や復旧・復興の取り組みを伝えるとともに、産地の状況に対応した商品の企画・取り扱い、募金、物資提供などの支援を行います。

3.アニマルウェルフェア(快適性に配慮した家畜の飼養管理)

  1. 畜産品の生産について、知識と理解を広げます。
  2. アニマルウェルフェアとは、家畜の適切な飼育管理(日々の観察や記録、丁寧な取り扱い、良質な飼料や水の給与など)により、家畜の健康を維持(ストレスや病気の減少、家畜が本来持つ能力の発揮)する取り組みであり、安全な畜産物の生産と、生産性の向上につながるものです。アニマルウェルフェアについての学びを広げるとともに、アニマルウェルフェアに配慮し飼育された家畜から生産された畜産物の取り扱いを進めます。
日々の観察、記録。ていねいな取り扱い。 良質なエサや水の給与。実態の情報提供。

【参考】アニマルウェルフェアの指標「5つの自由」
(国際的に認められている人間が飼育している全ての動物の福祉の指標)

  1. 飢えや渇きからの自由
    • 健康を維持するために十分な餌を与えられていること。
    • きれいな水をいつでも飲めること。
  2. 不快からの自由
    • 温度、湿度、照明など、それぞれの動物にとって快適な環境を用意できていること。
    • 自由に身体の向きを変えること、自然に立つことができ、楽に横たわることができること。
    • 清潔かつ静かで、気持ち良く休んだり、身を隠すことができること。
  3. 痛み、外傷や病気からの自由
    • 怪我をするような危険物のある環境にいないこと。
    • 病気にならないようにふだんから健康管理をしていること。
    • 痛み、外傷あるいは病気の兆候があれば、十分な獣医医療が施されること。
  4. 本来の行動ができる自由
    • それぞれの動物種の本来の生態や習性に従った自然な行動が行えること。
    • 群れや家族で生活する動物は同種の仲間と、単独で生活する動物は単独で生活できること。
  5. 恐怖や苦痛からの自由
    • 精神的苦痛、過度なストレスとなる恐怖や不安を与えられないこと。
  1. 家畜の寿命をコントロールしている事実に向き合い、倫理的な観点も持って畜産業に関する学びを広げます。
家畜の一生 産直牛の場合 出産(体重50キログラム)→育成(体重300キログラムまで・6カ月齢)→肥育(体重800キログラムまで・20カ月齢)→加工→食卓へ
産直豚の場合 出産(体重6キログラム)→育成(体重70キログラムまで・100日齢)→肥育(体重120キログラムまで・180日齢)→加工→食卓へ
産直若鶏の場合 産卵→ふか→肥育(体重3キログラムまで・50日齢)→加工→食卓へ

4.持続可能な水産業の支援

  1. 日本近海での水産物の取り扱いを強め、特に資源量が豊富な魚種を中心に調達し、水産物の自給力の向上に貢献します。近海で漁獲される未利用魚や廃棄される魚種の活用を進めます。
  2. 絶滅リスクが懸念されている魚種は、取引先と協働して原料までさかのぼり、生産・流通の各段階で資源・環境の保全に対し適切な対応がなされていることを確認し、商品調達を行います。まぐろやうなぎの資源増殖対策や完全養殖に向けた生産者・研究者との取り組みを進めます。
  3. 水産資源の回復や資源管理に取り組んでいる水産漁業者との連携を強め、海の環境保全や地域振興に貢献するフードチェーンづくりを目指します。
  4. 海のエコラベルMSC認証・ASC認証のマーク海の資源を枯渇させないように漁獲量や漁法・漁の時期、生態系などに配慮したMSC(Marine Stewardship Council)、環境や社会に配慮し、海の自然を守りながら責任を持って養殖されたASC(Aquaculture Stewardship Council)認証商品の開発・取り扱いを進めます。
  5. マリン・エイコラベル・ジャパンのマーク水産資源の継続的な利用を図るため、資源管理と生態系の保護を積極的に行っている、MEL ジャパン(Marine Eco-Label Japan)認証商品の開発・取り扱いを進めます。

5.森林・水資源の保護・保全と持続可能な林業の支援

  1. 水は、人と人が育てる農産物・家畜を含む広範な生物の生命の源であり、森林はその水の供給源です。また、森林は水を介して海や川に生息する魚介類に栄養を供給するとともに、CO2を吸収・蓄積し、木材を産出します。森林・水資源を未来につなげるために、国内と世界の森林保護・保全の取り組みを応援します。
  2. FSCのマーク 紙製品や木製製品・資材、木質バイオマス発電の電気を、組合員へ供給したり事業で使用する場合は、原料となる木材が持続可能な管理をされた森林から調達されていることの確認など環境に配慮して進めます。責任ある森林管理をしている林業者を支援し、世界の森林保全に貢献するFSC®(Forest Stewardship Council®)認証商品の開発と取り扱いを進めます。その他の森林認証プログラムや間伐材・再生紙の使用などについても調査・研究を進めます。
  3. 日本生協連とともに、森林資源および生物多様性の保全と農園労働者および地域住民への責任ある配慮を行っているRSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)の認証を受けた持続可能なパーム油の認知と普及を進めます。

6.自然環境と持続可能な農畜水産業についての学び

  1. 生産者・生産者団体に協力いただきながら、産地見学や米・野菜作りの体験、生き物調査、農業用水・水路の視察などを通じて、命の源である農畜水産業の実情と、田畑や森林、海、川、湖などの生態系・生物多様性についての学びを広げます。
  2. 持続可能な農業・畜産業・水産業・林業につながる商品の学びと利用を広げます。

II.食品ロス(廃棄)の実態についての学びを広げ、「もったいない」の気持ちを大切に削減に取り組みます

1.生産・製造から販売までの食品ロスの削減

  1. ITの活用などにより需要予測・発注の精度を高め、商品の廃棄・値引を削減します。宅配集品センターで集品後に発生する余剰品の発生抑制に努めます。
  2. 店舗で賞味期限が間近となった食品や宅配集品センターでの集品後に発生する余剰品などは、「訳あり品」としての組合員・職員への販売やフードバンク活動への寄贈など、可能な限り食品として有効に活用します。
  3. 店舗や宅配集品センターで発生する食品残さの、飼料・肥料への活用と生産された商品の取り扱い(リサイクル・ループ)やバイオマス発電の燃料への活用に取り組みます。
  4. 台風など天候不順の被害を受けた野菜・果実や豊作などによる余剰品の迅速な企画・供給に取り組みます。見た目は劣っても品質には問題がない不ぞろい品・規格外品の供給を組合員の理解を得ながら進めます。
不揃い・ハネッコ・天候被害果(台風など)のイラスト 産地支援セット・もったいないセットのイメージ

2.家庭での食品ロスの削減

  1. 適量購入や食べられる分量での調理、傷みにくい保存、忘れてしまわない冷蔵庫の中の配置、食材を無駄なく使うなど、家庭で食べ物を無駄にしない行動・工夫を広げます。
  2. 消費期限・賞味期限の持つ意味についての理解を広げ、少しでも日付の新しい物を求める購買行動の見直しにつなげます。

食品ロス(廃棄)の例

「生産」キャベツが豊作!!でも…(豊作すぎて出荷が追いつかない…) 「加工」パッケージの印字ミス(期限日の設定を間違えてしまった…売れないなぁ…) 「消費」買いすぎ・食べ残し(セールでつい…食べきれるかなぁ) 「流通」今日はお刺身フェア!!でも…(売れ残ってしまった…)

III.容器包装の3R(Reduce 使用量削減、Reuse 繰り返し使用、Recycle 再資源化・再生)+Renewable 再生可能資源の活用を進めます

1.Reduce 使用量削減

  1. 食品の輸送・保管・販売のために使用している容器包装、とりわけプラスチックの容器包装を、強度、安全性、保存性、ユニバーサルデザイン(開封しやすさ・持ちやすさなど)・経済性などを考慮しつつ削減(「省く」「小さくする」「薄くする」)します。組合員に提供する容器包装プラスチックの使用量(重量)を把握・管理して、削減を進めます。
  2. 店舗でのマイバッグ持参呼び掛けを強め、レジ袋辞退率を引き上げる取り組みを進めます。買い物の際に提供するポリ袋やプラスチック製のスプーンの削減について検討します。

※容器包装とは異なりますが、原料にマイクロビーズを使用した商品は取り扱わないこととします。

2.Reuse 繰り返し使用

  1. 洗剤など詰め替え品の普及などによる容器の再使用を進めます。

3.Recycle 再資源化・再生

  1. 組合員のご家庭から牛乳パックやトレイ、ペットボトルなどの容器包装を含む資源物を宅配センター・店舗から物流センターへの戻り便を活用して回収し、エコセンターや物流センターで集積・処理し、リサイクルを進めます。
  2. プラスチックのリサイクルは、マテリアルリサイクル(同じ材質の樹脂を熱で溶かしてプラスチック材料・製品にする方法)、ケミカルリサイクル(化学的な方法で分子にして材料・製品にする方法)、サーマルリサイクル(焼却の際に発生する熱エネルギーを回収・利用する方法)のうち、資源をより有効に活用できる方法を追求します。
  3. 回収プラスチックを原料とする容器包装への切り替えを進めます。特に再生PET包材利用商品の開発・品ぞろえを進めます。
  4. 分別・リサイクルがしやすい容器包装への見直しを進めます。
飲料用の紙パック(牛乳、ジュース、酒のパックなど)、ペットボトル・キャップ(飲料・しょうゆ・酒類、キャップは飲料のみ) 食品発泡トレー、透明の食品トレー・容器 アルミ缶、たまごパック

4.Renewable 再生可能資源の活用

  1. 植物由来など再生可能資源を使用した容器包装への切り替えを進めます。特に植物由来PET利用商品の開発・品ぞろえを進めます。
  2. 生分解性プラスチックを容器包装の原料とすることの適否について情報収集を進めます。

5.エコマーク商品の開発と品ぞろえ

  1. エコマーク3R+Renewableを通じて、「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体で環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められたエコマーク商品の開発と品ぞろえを進めます。

コープデリ連合会の水産方針・持続可能な調達方針
~持続可能な水産資源の利用と水産漁業者との連携を強め、日本の魚食文化を育みます~

1.水産資源の回復と環境保全、人権・労働問題に配慮し、持続可能な水産資源の開発と利用をすすめます。

  1. 原魚のトレースを強め、違法な取引・採取・漁獲を排除し、過剰漁獲や資源枯渇につながらない方法で行われた水産物を取り扱います。
  2. 「MSC認証」※1「ASC認証」※2などの持続性と環境に配慮した水産物の取り扱いをすすめます。また、主力取引先に「COC認証」※3の取得を要請します。
  3. 完全養殖まぐろをはじめ、完全養殖による環境への影響を最小限にとどめられるように配慮していきます。また、うなぎ資源増殖対策や完全養殖に向けて、生産者・研究者との取り組みをすすめます。
  4. ワシントン条約などの国際条約の順守、自然資源枯渇防止の観点で関係機関の規制措置等を順守します。まぐろの未成魚については、RFMO(地域漁業管理機関)、WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)、水産庁の規制措置を踏まえ、適切な調達を行っていきます。
  5. 漁獲や養殖、加工の現場で、人権侵害が行われていると第三者機関によって立証されているものは調達しません。

2.水産漁業者と顔の見える産直商品の開発をすすめ、日本の水産漁業を守ります。

  1. 日本近海での水産物の取り扱いを強め、とくに資源量が豊富な魚種を中心に調達し、水産物の自給力の向上に貢献します。また、近海で漁獲される未利用魚や廃棄される魚種の活用をすすめます。
  2. 水産漁業者・製造加工者と連携して、安全で新鮮な品質管理の行き届いた水産物を提供するフードチェーンを作ります。
  3. 水産資源の回復や資源管理に取り組んでいる水産漁業者との連携を強め、海の環境保全や地域振興にも貢献していきます。
  4. 産直水産物の生産者と生協組合員との産地見学・交流をすすめ、産地のファンを育成します。

3.日本の食文化を育む、食育活動に取り組みます。

  1. 日本の近海魚や旬の魚などの利用をすすめ、日本の魚食文化の伝統を伝えます。
  2. 水産漁業者との交流をすすめ、日本の水産漁業の実態を広く消費者に知らせ、魚食文化を広げます。
  3. 魚料理教室やレシピ作りをすすめ、魚を料理し、食べる機会を増やす活動をすすめます。

4.定期的な進捗管理とリスク評価を行います。

  1. トップが参加する会議で、課題の進捗管理を行います。
  2. また、同会議で定期的に、法令順守、資源保護状況、環境への影響と影響規模の状況を把握し、課題の優先順位や方針を決定します。

※1 MSC認証 「持続可能で適切に管理された漁業」

※2 ASC認証 「環境や社会に関し適切に管理されている養殖」

※3 COC認証 「MSC認証やASC認証製品を取り扱う加工業者や商社が取得認証」