コープにいがたが加入するコープネット事業連合は2017年6月にコープデリ連合会に名称変更しました。
このページは旧名称の時期の記事を掲載していますので、「コープネット」としています。

お米育ち豚プロジェクト

お米育ち豚プロジェクト

組合員の方々との交流で得られる喜びと緊張感

水野さんと子豚たち

 岩手県南部に位置する気仙郡住田町は、豊かな水と緑の町。「お米育ち豚」は、この豊かな大自然の中で育てられています。
脂身がさっぱりしていて甘みがあり、くさみがない。しかも、柔らかくてジューシーと、組合員のみなさまから非常に高い評価をいただいている「お米育ち豚」の飼育をしているのは、有限会社ありす畜産の水野さん。美味しさのひみつを伺いました。

「組合員さんたちが、私たち生産者のところに来てくださり、実際に私たちの作業を見たり、直接話したりできる産地交流を、とても大切な機会だと思っています。
 組合員さんの口から“脂身まで美味しい”“このお肉を知ると、もう他のお肉を食べられない”と聞くときが、 “本当にやってきて良かった”“お米で育てたことが良い結果に繋がった”と、喜びをかみしめられる瞬間です。

一方で、この味と品質を維持するのは本当に大変なこと、という緊張感も走ります。でも同時に、去年より今年の方が美味しい、来年はもっと絶対に美味しくするぞ、という気持ちがむくむくと湧いて来る。そこが美味しい豚を育てる原点となっています。」
と、水野さんは言います。

でも、それだけではありません。

周辺農業の衰退が進んでいる

花巻市の水田風景

実は、水野さんは、農家の高齢化や米の消費量の低下で減反が進められ、目の前の田んぼが畑や草むらに変わって行くことに危機感を感じていたのです。一度休んでしまった田んぼを元に戻すのは、とても大変なこと。ずっと心を傷めていました。
そんな時に、「お米育ち豚プロジェクト」の話しがあり、すぐに参加を決めました。

 このプロジェクトは、減反の対象となる水田で豚に食べさせるお米(飼料米)を作り、そのお米で育てた産直豚肉を提供する、生産者とコープネットの共同でスタートしました。

花巻市の水田風景

2008年、意識の高い各分野のプロフェッショナルが集まり、コープネット飼料用米生産流通協議会を結成。異業種ともいえるメンバーで議論を重ね、「田んぼを守り、食料自給力を高め、おいしい豚肉を作る」という目標に向かって進み出したのです。農業と畜産業が連携した瞬間でもありました。

 メンバー全員の顔が見えることで、「誰かひとりが欠けても成り立たない」と実感でき、プロジェクトの中での自分が受け持つ役割と成果を問う切瑳琢磨がはじまりました。この体制により、「お米育ち豚」の品質が保たれているというわけです。

お米育ち豚プロジェクトの顔が見える信頼の輪

実際に、水野さんと手を取り合う生産者は、さまざまな仕事でつながっています。

【米の生産】農事組合法人 遊新 組合長 高橋 新悦さん

【米の生産】農事組合法人 遊新 組合長 高橋 新悦さん

【米の生産】農事組合法人 遊新 組合長 高橋 新悦さん

豚の飼料になる米を作っています。生産調整で麦を作っていますが、作り続けると連作障害などが出てきます。やはり、水田で米を作れるのが一番いいことではないかと思います。

【配合飼料製造】北日本くみあい飼料株式会社 西野 和幸さん

【配合飼料製造】北日本くみあい飼料株式会社 西野 和幸さん

【配合飼料製造】北日本くみあい飼料株式会社 西野 和幸さん

高橋さんのお米を飼料にして、水野さんに届けています。豚の飼料は輸入に大きく依存しているので、国産のお米を配合することは、非常に意味のある事だと感じています。

【と畜・カット】株式会社岩手畜産流通センター 八重樫 淳さん

【と畜・カット】株式会社岩手畜産流通センター 八重樫 淳さん

【と畜・カット】株式会社岩手畜産流通センター 八重樫 淳さん

水野さんが育てた豚を、と畜・カットしています。このプロジェクトでは、私たちがミスしてしまうと消費者の皆さまにつながりませんので、私も、お米育ち豚の命を、おいしいお肉としてきちんと整えて活かし、次につなぐことを一番に考えています。

【流通保管】JA全農ミートフーズ株式会社 船引 守一さん

【流通保管】JA全農ミートフーズ株式会社 船引 守一さん

【流通保管】JA全農ミートフーズ株式会社 船引 守一さん

八重樫さんが加工したお肉を一時保管し、発注に合わせてコープのパックセンターに供給する仕事をしています。確実に顔が見えるメンバーとともに仕事を分担しているところが、安心安全につながっていると実感できます。

【加工販売】コープネット事業連合 生鮮調達管理部 小川 明彦さん

【加工販売】コープネット事業連合 生鮮調達管理部 小川 明彦さん

【加工販売】コープネット事業連合 生鮮調達管理部 小川 明彦さん

八重樫さんから届いたお肉を、加工して組合員のみなさんにお届けするのが私たちコープネットの仕事です。大事なお米を飼料にして育てた美味しい豚を、ぜひ一度試してみてください。

「お米育ち豚」がどうやって食卓に届くのか

組合員さん

産地交流に参加した組合員の岩上京子さんからは、こんな声をいただきました。

「今回は、お米育ち豚に食べさせるお米を作っている田んぼや精米所、と畜場などを見学しました。実際に、作業を体験したり、車座になってお話を伺い、生産者のみなさんの気さくなお人柄、お米育ち豚が食卓に届くまでの様々なお仕事やご苦労がとてもよくわかりました。
この方々がお米を作り、そのお米で子豚から大切に育てられた豚が、私たちの食卓に来ているのだなと実感できたことで、とても安心できました。」

稲刈り体験
稲と記念撮影
座談会

美味しく食べて、田んぼを元気に。くらしに笑顔を。

フードチェーンの図

このように、「お米育ち豚プロジェクト」では、生産者と消費者が産地交流という形で生産の実情を知ってそれぞれの想いを交換し、直接手を取り合える信頼の輪(フードチェーン)を形成しています。飼料をお米にすることで、田んぼを守るとともに、輸入に頼っていた飼料を国産のお米に替えることで、日本の食料自給率を向上させることにも貢献しています。まさに、美味しく食べる事で、作る人も笑顔になり、日本の田んぼを元気にしているのです。

お米育ち豚を食べる時には、この美味しさのひみつを、ぜひ思い出してみて下さいね。